あるハルニレの樹のこと。

私の仕事での配達先の庭にある1本の「ハルニレの樹」を紹介します。
この樹を気にしだしてもう5年は経つでしょうか。

ご覧のとおり、枝先の枯れている部分が有ったり、樹形もちょっとバランスを崩して見えます。
少し近づいてみましょう。

木の葉の1枚1枚に赤いこぶのようなものが付いています。
これは、「ハルニレハクロフシ」と呼ばれている、虫が作ったコブ(ムシコブ)です。
中を開けてみると小さなアブラムシのような虫が複数入っています。
それにしてもすごいことになっていますね。

この虫コブだけではなく、ある時期になると葉っぱが丸坊主になってしまうほどのハバチの幼虫が湧きます。
調べただけでも6種類ものハバチが我も我もとこの樹の葉っぱを食べるのです。
というような、虫のために我身を捧げているこのハルニレに、今回さらにこんなものを見つけました。

これはエカキムシ(絵描き虫)と呼ばれている何かの昆虫の幼虫に違いありません。
さて、今度は何の幼虫だろうと、中の虫を確認させてもらいました。


ちらりと見えたのは幼虫のお尻。
と、そこからずっとつながっているのは!
ウンコではないですか!


赤ちゃんの時からけっこうな大きさの今に至るまでのウンコが1本の糸でくくった様にずっとつながっています。
ウンコを見てこんなに感動したのは初めてかもしれません。
こうすることでどんなメリットがあるのでしょうか。
他のエカキムシの場合、バラバラの糞と共に葉の中で生活しているものも多いです。
この子はきっときれい好きなのかもしれませんね。


幼虫の全体像はこんな感じでした。
今のところ正確な同定は出来ていませんが、専門家の方からは「スイコバネ」という蛾の仲間の幼虫ではないかとご教示いただいています。