温床を踏みました

昨日のことですが温床を踏みました。

といっても、“温床”が分かる方も少ないと思いますので少々ご説明を。

<温床>
温床の目的は、植物(野菜など)の種を低温下で発芽させるための加温です。

今でこそ電熱線を使えばサーモスタットで好きな温度にコントロールできますが、

温床は昔の人が考え出した微生物利用の熱発生装置です。

作り方を説明します。まず、地面の上に材木や稲わらを使って畳一枚ほどの広さの枠を作り

ます。高さは1メートルくらいです。(ある程度の大きさが無いと温度が出ません)そしてこ

の中に木の葉、ぬか、鶏糞などを入れ水をたっぷりかけよく混ぜます。口で言うのは簡単で

すが、結構大変な作業です。これを鎮圧するために上に載って足で踏みこみます。

それで、“踏み込み温床”という呼び方をすることも有ります。

この上に床土を敷いて種をまきます。温度が出るのに2〜3日かかります。初めは中の温度

が70度ぐらいまで一気に上がることもありますが、しばらくして40度ぐらいに落ち着き

ます。もっともこれは上手く行ったときのことで、水分が足りなかったり材料の配分が悪か

ったりすれば温度が上がらないこともあります。

私はこの温床を作るときいつも、何か大きなケーキとかパンを作っているような錯覚に陥り

ます。色々な材料を混ぜて、発酵を待つというプロセスが似ているからです。

そしてこの温床、熱源としての利用のみならず、使用後の中身は良質の堆肥となっていると

いう優れものなのです。この堆肥は翌年の苗つくりの床土に利用します。これを使えば、化

成肥料など一切使わなくてもすばらしい苗が出来ますよ。