オオタカその後

昨年暮れから頻繁にバンビ農園の鶏舎にやってきていたオオタカ
いつ頃からか、餌をとって食べているわけでもないのに地べたにしゃがみこんでいるのを見るようになりました。

ある時など、餌バケツをぶら下げた私の足元4〜5mくらいの所に伏せていて、こちらがビックリしました。
何か変だなとは思っていたのですが、あるとき飛び上がった瞬間に彼(彼女)の足が片方ないのを見たような気がしました。
老鶏を一羽外に出して様子を伺ったところやはり左足がありません。

そんな狩猟能力の落ちたオオタカに対して、うちの猫は餌の横取りをするようになっています。

その後しばらく姿を見せなかったのでどこかで命尽きたのかと思っていましたが、今年に入り久々の鶏の警戒音に窓からのぞくとあのオオタカが鶏舎の屋根の上にしゃがんでいました。

どうするかと思っていたら扉を開けていた空き鶏舎に入ってしゃがみこんでいました。

この時点で、このオオタカはもう野生では生きてゆけないと私は判断しました。


県には「傷害鳥獣」を保護する施設があります。
栃木県では「県民の森」がその役を担っています。
また傷ついた動物を自宅で飼育するボランティア制度(資格を取る)もあるようです。

県民の森に連絡するとわずか数時間で「県北環境森林事務所」という部署の女性が
このオオタカを引きとりに来ました。

お別れです。
養鶏家にとっては害獣とも言えるオオタカですが私にとっては縁あって出会ったオオタカです。
飼育状況については連絡を下さいと念を押しておいたのですがその後何の音沙汰もありません。
知り合いのボランティアの方から、「あのオオタカ、弱っているダメかもしれない」という情報をいただきました。
野生を全うさせてやるべきだったのかと一片の後悔が頭をかすめます。