備中沢住民アセス 鳥類調査 2007.12.22

この時期にしては暖かな朝でした。今月は7:00スタート、参加者は5名です。

今年最後の調査になりましたが、「継続は力なり」、2008年も引き続き各種調査を続けてゆく予定です。来年もまた備中沢の自然を楽しんでください。
本日の報告に入ります。(今回は鳥の写真に恵まれませんでした)

スズメバチの巣>

落葉樹の里山は、冬になると見通しがよくなり、夏には見つけようも無かったものが見えてきます。
今回は鳥の巣なども見つけたのですが、ピンボケだったのでこちらを紹介します。
巣のある場所の高さは、株元から7~8mほどもあったでしょうか。すでに来年の女王となるメス蜂も巣立ち、空き家となっているようです。これはキイロスズメバチのものでしょうか。
そういえば、来年は栃木県立博物館でスズメバチの企画展があるそうです。


<田んぼのオブジェ?>
先月の、ブーフーウーのワラの小屋のようなオブジェの隣の田んぼに今度は俵型のオブジェが出現しました。

周りの風景の美しさと相まって、一種の環境芸術と感じてしまうのは私だけ?


ヤブコウジ

小さな赤い実を一つ、二つつけたヤブコウジは、何かの幼木のように見えますが、これ以上は大きくならないようです。(高さ10~20センチ)
地下茎で増えるので、たいていは何株かの群生となります。足元に気をつけて、踏まないように。
マンリョウもこの仲間です。


<ヤママユ、ウスタビガ、クスサンの繭>

これらも葉が落ちて目に付く自然の飾り物です。

ヤママユの繭はオーソドックスな形の繭です。
手のひら代の大きな我になりますが、成虫は余りお目にかかりません。
夜の山が彼らの世界です。




ウスタビガの繭は冬の山ではやたら目立ちます。
「こんなに目立つ色では外敵に・・・」という私の疑問に参加者の一人から解説を頂きました。
「この蛾は9〜11月が成虫の発生期なので、その間見つかりにくい色、つまりの山の木の葉と同じ緑が目立たない」のだそうです。

納得。抜け殻は山の飾り物でOKというわけです。
(写真を良く見ると、この繭にはどうやら雌が産んだと思われる卵がついています。羽化してすぐの産卵だと交尾は済んでいるのか?  大切な卵を産む場所として適当なのか?  疑問ですね。)




色で気を引く人もいれば、網タイツで気を引く人も。(中年の妄想です)
クスサンは、昔釣り糸のテグスを作るのに利用されていました。
クスサンのクスは、テグスのクスでしょうか。網目の効用は何なのでしょうか?


ミズカマキリ

砂防堤の脇に出来た小さな水溜りの中で見つけました。成虫越冬をする昆虫です。
図鑑には集団で越冬するとかかれていましたが、こちらは単独でした。


<砂防堤>

備中沢の中ほどには大きな砂防堤が二つあります。これによって上下の魚などの行き来は不自由になってしまいました。
上流側の堆積土砂も不自然に増加して、鋭角だった谷底が平らになってしまったそうです。

人間の都合で改変されてしまう環境の中で何とかがんばっている生き物達を見ると色々考えさせられます。
処分場建設による改変を想像してみてください。