[農園の自然]  今は無きキンラン


ランの仲間はその容姿、花の美しさから山から持ち去られてしまうことが多いものです。
これを趣味の側からは“山野草の愛好”と言い、自然保護を訴える側からは盗掘(やさしく言えば園芸採取)と言うことになります。

現在ランの仲間のほとんどが自然界から絶滅しかかっています。勿論自然環境の変化などもあるわけですが、盗掘が主な原因であることは現場を知っている方ならご存知のことと思います。

私は「花は野で愛でる」タイプの人間ですので(持って帰っても管理する能力がない)、多年生のランを見つけたときにはいつまでもそのランが“自分で見つけた場所”で咲き続けて欲しいと思っています。

バンビ農園の周りでは今、キンラン、ギンランが花を咲かせています。右の写真は連休中に見つけた背丈50センチ、花数10ヶの大株のキンランです。一日おきくらいに花のほころびてゆくのをを楽しみに彼女の元へ通っていました。
そして今日、悲しいことに、このキンランは掘られた穴だけを残して何者かに持ち去られていました。

私は呟きました。「もし私が必殺仕置き人だったら、やったやつの延髄に千枚通しをつきたててやるのに・・・。」

こんな気持ちって誰かに分かってもらえるのでしょうか。