ホントのミッキー?
その日の朝まで行くつもりの無かった子供会主催の“ディズニーランド・バスツアー”へ、お母さんのピンチヒッターで行くことになってしまいました。
私は何しろ、生まれつきの車酔い体質で、バスという言葉を聴いただけで昔の吐き気がよみがえってくるのです。
寝ていれば何とかなるという時期もあったのですが、この頃はまた悪性の酔い性に戻っているようです。
だから絶対行かないと心に決めていて、この日は一日、下の子の守りで過ごすつもりでいたのですが、全体調不良を訴える母親に代わって参加せざるを得なくなってしまったのです。参加予定の娘の気持ちや、キャンセル料のことなど考えて清水の舞台から落ちたのです。落とされたのです。
車酔いになる条件は色々有ります。一つは“臭い”です。昔のバスは木製の床にコールタールがたっぷり染みこませてあって、化学物質過敏症の私にとってはそれだけでも地獄でした。勿論今のバスではそんなことは無いのですが、閉所にこもった様々なにおいに過剰に反応してしまいます。
二つ目は勿論ゆれなのですが、不思議なことに自分で運転している車は大丈夫なのです。
この辺に車酔いのメカニズムの秘密が隠されているようなのですが誰か解明してくれないでしょうか。今回のバスの運転手さんはいたって急加速、急ハンドルのない方だったので救われましたが。
いつもの癖で、前置きが長くなってしまいましたが、気がつくと私は浦安のディズニーランドの人になっていたのです。
28日はハロウィンの日か何かでいつもの土日よりも人が多かったようです。
“何をするにも行列”というのは、話には聞いていましたが、自らが体験するとは思いませんでした。
ポップコーンを買うのに10メートルの行列をしているのには空恐ろしい日本人の馬鹿さ加減を見た気がしてしまいました。
あの状況にいて楽しめる人の能力に私は感嘆してしまいます。
「こちらただいま170分待ちとなっております」などと平気でアナウンスしているスタッフ。その列の最後尾に並んでいる方々。どうやったらここで楽しい気持ちになれるのかを必至で見つけようとしているうちに私たち親子の時間はなくなってしまいました。
そんな中で唯一心和んだのが、サルビアの花壇で見つけた生きているミッキーでした。
同じような気持ちの人が多いのか、このねずみ君のパフォーマンスにはたくさんのギャラリーがカメラを向けていました。サルビアの花を食べているねずみは始めてみましたが、まさかこのねずみ君、ディズニーランドに雇われているんじゃないよね?